体脂肪が増えるメカニズムを理解しよう
ダイエットをスタートさせるにあたり、
まず初めにここがとても最重要です。
おそらく、痩せられない99%の人は、
このパートを理解していません。
当クラブが 栄養8割:運動2割 と提唱する理由もここにあります。
体脂肪を減らすためには、まず体脂肪が増えるメカニズムを理解しましょう!
それでは解説していきます。
僕たちが生活する上で、カラダのエネルギー源となる栄養素として糖質・脂質・タンパク質があり、これらを3大栄養素といいます。
さらに、ビタミン・ミネラルを加えた栄養素を5大栄養素と言います。
主に3大栄養素は、カラダを動かすためのエネルギー源となり、またカラダの組織をつくる働きをし、ビタミン・ミネラルはカラダの調子を整える働きをします。
3大栄養素の中でも糖質と脂質は、主に心臓や脳、内臓、筋肉などを動かすためのエネルギー源になり、タンパク質は爪や髪の毛、皮膚、筋肉などを作るための栄養素になります。
イメージがあまり浮かばないという方のために、各栄養素を豊富に含む食材をご紹介します。
ご飯や麺、パンは炭水化物と言われていて、
炭水化物 = 糖質 + 食物繊維でできています。
つまり、炭水化物から食物繊維を差し引いたものが糖質になります。
また、食物繊維は体内では消化されず、
そのまま排出されるため栄養素には含まれません。
体脂肪が増える理由は、
3大栄養素の中の糖質と脂質にあります。
糖質が太る理由は?
糖質が太る理由は以下です。
このメカニズムが超重要です。
糖質を摂取すると、糖質はブドウ糖(グルコースとも呼ぶ)に分解され、体内に吸収されます。
血液中に取り込まれたブドウ糖は、
カラダのエネルギー源になり、心臓の動き、睡眠、運動、消化器官の活動など様々な活動のエネルギーとして消費されます。
この血液中のブドウ糖はおおよそ15~20gと言われています。ここで、糖質をさらに多く摂取すると、血液中のブドウ糖の濃度が上がり、いわゆる血糖値が高い状態になります。
すると、血糖値を下げる働きを持つ”インスリン”というホルモンが膵臓から分泌され、
余ったブドウ糖をグリコーゲンという貯蔵できる形にし、筋肉と肝臓に蓄えます。
しかし、筋肉と肝臓に蓄えられる量は決まっていて、成人男性では、肝臓に肝グリコーゲンとして90~150gが貯蔵され、筋肉に筋グリコーゲンとして100~400gが貯蔵されます。
(マッチョな人は筋肉が多い分、筋グリコーゲンの貯蔵量が多くなります)
またグリコーゲンの蓄積は、筋肉→肝臓の順で行われるとされています。(これをインスリンヒエラルキーと呼びます)
そこで、肝臓と筋肉のグリコーゲンがいっぱいある状態で、さらに糖質を摂ってしまうと、インスリンの働きによりブドウ糖は体内で合成されて中性脂肪(=体脂肪)としてカラダに蓄えられてしまいます。
まとめると…
糖質をたくさん摂取すると、血糖値が上がり、それによりインスリンが分泌され、筋肉と肝臓にグリコーゲンとして蓄えられる。
それでも余ったブドウ糖は体内で合成され、中性脂肪として貯め込まれるということです。
具体例をあげると、ご飯やパン、麺、果物、お菓子などの糖質の多い食べ物を大量に食べてしまうと中性脂肪(体脂肪)になってしまうわけです。これが、糖質が中性脂肪に変わり太ってしまうメカニズムです。
脂質が太る理由は?
続いて脂質が太る理由です。
まず、みなさんのカラダについた体脂肪は「中性脂肪」といいます。中性脂肪は、脂肪酸とグリセロール(3リン酸)という物質からできています。
少し難しくなりますが、食事から脂質を摂取すると、胃→小腸を通して分解と結合が行われ、カイロミクロンという中性脂肪とタンパク質が結合した物質(約90%が中性脂肪)へと変化します。
その後、このカイロミクロンは筋肉細胞へいけばエネルギーとして消費され、一方で脂肪細胞へいくと中性脂肪へと変化します。
脂肪細胞でどのように中性脂肪へと変化するか?というと、まず膵臓から分泌されるリポタンパクリパーゼ(LPL)という酵素の働きにより、カイロミクロンの中のにある中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールに分解されます。
その後、分解された脂肪酸は、(ブドウ糖の時と同様に)カラダを動かすエネルギーとして燃焼されます。
しかし、余った脂肪酸は、脂肪細胞に取り込まれかつ体内にブドウ糖があると、ブドウ糖をエネルギーへ変換していく過程で作られるグリセロール3リン酸と結合し、中性脂肪(体脂肪)としてカラダに蓄えられてしまいます。(上図)
これが、脂質が中性脂肪に変わり、太ってしまうメカニズムです。
まとめると、
脂質をたくさん摂取して体内に脂質が余り、かつ体内に糖質があると、摂取した脂質は合成されて中性脂肪として蓄えれれてしまうということです。
インスリンと体脂肪の関係
インスリンの分泌量が増えると、糖質を中性脂肪へ変換するだけでなく、脂肪酸を中性脂肪へ変換することも促進してしまいます。
なぜなら、先ほどご紹介したリポタンパクリパーゼの働きを活性化させるからです。
具体的には、脂質をたくさん摂取した上で、糖質をたくさん摂取してしまうとインスリンが分泌し、インスリンがリポタンパクリパーゼの働きを活性化します。
すると、カイロミクロンの中の中性脂肪の分解をより活発にするため、より多くの脂肪酸がグリセロール3リン酸と結合し、より多くの中性脂肪がつくり出されるということです。
つまり、インスリンの増加は、糖質の過剰摂取よる中性脂肪の生成を促進するだけでなく、脂質の過剰摂取による中性脂肪の生成も助けてしまうというわけです。
ですので、糖質と脂質の両方を摂取する食事、例えば、焼肉定食やラーメン、ポテトチップスなどは超絶太りやすいと言うことです。
太るメカニズムはこの2つだけです。
次回は痩せるメカニズムを見て行きましょう。
まとめ
◾︎栄養素の基礎知識
・炭水化物、タンパク質、脂質を3大栄養素と呼び、体内でエネルギー源やカラダの組織をつくる働きをもつ。
・3大栄養素+ビタミン、ミネラルを5大栄養素と呼び、カラダの調子を整える働きをもつ。
・炭水化物は、糖質と食物繊維からできている。
◾︎太る原因
・太る原因は、糖質と脂質の摂りすぎ。
・糖質を摂りすぎると、インスリンの働きにより中性脂肪として貯め込まれる。
・脂質を取りすぎても、脂肪酸はグリセロール3リン酸と結合して中性脂肪として溜め込まれる。
・インスリンは糖質と脂質の両方を中性脂肪へと変化させる働きを持つ。
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